介護が始まると、家族は次々に判断を求められます。
受診するかどうか、今の生活を続けるのか、別の選択肢を考えるのか。
その一つひとつに、明確な正解はありません。
今回は部長の藤原、 訪問介護管理者の赤崎、ヘルパーの古角の3人で、家族が「判断役」を担い続けることのしんどさについて話しました。
正解のない判断を、家族だけが背負ってしまう現実

藤原:介護の相談を受けていると、「最終的にはご家族で決めてください」という場面が本当に多いなと感じます。どんなに専門的なことであっても、最後は誰かが代わりに決断してくれるわけではなくて、ご家族が判断を迫られる。
赤崎:そうですね。受診するか、様子を見るか。今の生活を続けるのか、次の選択肢を考えるのか。どれも状況次第で、「ここでこうすれば正しい」という基準はありません。だからこそ、ご家族が一つひとつの判断を重く受け止めてしまう。
古角:現場で話をしていても、「こう見切りをつけるのは冷たいですかね」とか、「親を捨てたと思われないでしょうか」と言われることがあります。判断そのものに責任を感じているケースだけでなく、その判断が周囲や自分にどう映るのかを気にして、苦しくなっているケースもあるように感じます。
藤原:決めたあとも、「本当にこれでよかったのか」と振り返り続けてしまう。その積み重ねが、家族のしんどさになっていくんですよね。
状態だけでは測れない、家族の限界

藤原:支援の場面では、「まだ在宅でいけそう」と感じることもありますが、もしかしたらその言葉がご家族を追い詰めてしまうこともあるのではないかと感じています。
赤崎:身体の状態だけを見れば、確かにできることは残っている。でも、家族の生活リズムや仕事、睡眠不足、精神的な疲労までは、数字や状態像だけでは見えません。大変さの感じ方は、本当に人それぞれです。
古角:同じように見える状況でも、関係性によって負担は全く違います。以前は元気で頼れる存在だった親御さんが、今は支える側になっている。その立場の変化自体が、想像以上に負担になることもあります。
藤原:「できる・できない」という話ではなく、「もう余裕がない」という感覚。その声をどう受け止めるかが、とても大切だと思います。
支援が入ることで、判断を共有できるようになる

藤原:訪問介護や看護が入ることで、判断のあり方は少しずつ変わっていきますよね。
赤崎:はい。よりたくさんの選択肢から選べる状態をつくることができます。在宅か施設かという二択ではなく、サービスの組み合わせや、段階的な調整という考え方もあります。
古角:ヘルパーの回数を増やす、看護師に入ってもらう、ショートステイを使ってみる。実際にやってみて、「これは合わないな」と感じたら、また別の方法を考えることもできます。
藤原:一度決めたら戻れない、というわけではないんですよね。関わる人が増えることで、判断を一人で抱えなくてよくなる。そのこと自体が、家族の気持ちを支えていると感じます。
家族が限界になる前に、できること

藤原:家族の限界については、支援者同士では共有しても、ご本人やご家族に直接伝えるケースばかりではありませんよね。
赤崎:そうですね。「限界ですよね」と言葉にしてしまうと、かえって追い詰めてしまうこともあります。だから管理者やケアマネジャー間で共有しながら、支援の形を調整していくことを大切にしています。
古角:ご家族には、「昨日こんなことで困った」と、来たヘルパーに話していいんですよ、とお伝えしています。大きな相談でなくても、小さな困りごとを口に出せるだけで、気持ちはずいぶん違います。
藤原:病院の相談員や包括、市役所など、最初の窓口につながるだけでも支援は広がります。限界になる前に、つながりを持っておくことが大事ですね。
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藤原:介護は、家族だけで完璧にやり切るものではない、という前提をもっと共有できたらと思います。
赤崎:判断を手放すことは、放棄ではなく共有です。関わる人が増えることで、見える景色も変わります。
古角:利用者さまの生活の質が少し上がったり、ご家族が休める時間ができたり。それも大切な支援の一部だと思います。
藤原:私たちは「ここまででいい」と思えるラインを、一緒に探していく。そのためのパートナーでありたいですね。これからもチームで利用者さまとご家族に、しっかり寄り添っていきましょう。
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