mail
メール
こちらから

冬のあたたかさを守る──安全な暖房とヒートショック予防

「ともに」について25/11/28

こんにちは。ともに管理者の藤原です。

冬が近づくと、家の中の寒暖差や暖房器具の使い方によって、思わぬ事故が起こりやすくなります。

利用者さまのご自宅を訪問していると、ちょっとした習慣の積み重ねが安全を左右する場面が多くあります。

今回は、居宅介護支援(ケアマネジャー)管理者の谷口、訪問看護管理者の山邊、訪問介護管理者の赤崎とともに、「冬の家庭で気をつけたいこと」 についてお話ししました。

ご家族が知っておくと安心につながるポイントを、3つのテーマに分けてお届けします。

ヒートショックは、お風呂に入る瞬間にも起こる

藤原:まず、冬になると気になるのがヒートショックですよね。現場ではどんな点を特に気をつけていますか?

山邊:少し前までは「脱衣所が寒くてヒートショックになる」という説明が一般的でしたが、最近は研究が進み、湯船に入った瞬間の血圧変動のほうが危険だと言われ始めています。温かい部屋から急に熱いお湯につかると、血流が一気に回って血圧が大きく変動し、倒れてしまうこともあります。脱衣所の暖房も大切ですが、足先から掛け湯をして少しずつ身体を慣らすといったことを、気にかけておいていただきたいですね。

藤原:「この温度に入りますよ」という予告を身体にしてあげるイメージですね。

谷口:ご家族の方には、
・お風呂の温度を高くしすぎない
・脱衣所と浴室の温度差を小さくする
この2つだけでも十分効果がありますよ、とお伝えしています。ちょっとした調整が、ご本人の安心につながります。

赤崎:利用者さまの中には、脱衣所に小さな電気ヒーターを置いている方もいますが、置き場所によっては転倒リスクが上がったり、衣服が近づきすぎて危険なこともあります。温めたい場所と安全の両立を、一緒に考えていくことが大切だと感じています。

家の中の“温度の段差”が事故を生みやすい

藤原:お風呂以外にも、家の中の温度差は危険が潜んでいますよね。

赤崎:玄関や廊下は、暖房が届かずとても冷えます。お部屋は暖かくても、ちょっと物を取りに行った廊下で足が冷え、ふらつきや転倒につながるケースは意外と多いんです。特に一人暮らしの方は、倒れても気づいてもらえない不安があります。

谷口:靴下も要注意で、分厚いもこもこ靴下が、滑りやすさの原因になることがあります。ご本人は「冷えるから」と履いているのですが、階段やフローリングではかえって危険なんです。

山邊:こたつもあたたかくて人気ですが、長時間入っていると体が乾燥し、気づかないうちに脱水になっていることがあります。また、こたつの中にみかんやパンなど“食べ物を入れて温める”方もいて、電子レンジのように一気に温まらないため 食中毒のリスクもあります。

藤原:暖かく過ごすために置いているものが、別の危険につながることもあるんですね。現場に入っているからこそ気づける、リアルな視点だと感じます。

低温やけど・火災・ガス火──家庭で起こる冬の事故

藤原:冬場はやけどや火災も気になりますね。

山邊:電気毛布やあんかは便利ですが、温度を感じにくくなって近づきすぎ、低温やけどになる方が多いです。中には、
・カイロを複数枚重ねる
・肌に直接貼る
という危険な状態の方もいます。ひどい場合は主治医に相談することもありますが、低温やけどは治りが遅いので予防がいちばん大切です。

谷口:火災への不安も大きいですね。ご家族から「ストーブの前で洗濯物を乾かしてしまう」「消し忘れる」といった相談を受けることが増えています。危険への感度が落ちてくると、ちょっとした行動が大きな事故のもとになります。

赤崎:調理のガス火も同じで、火力の調整や消し忘れが心配な方には IHコンロに切り替えるだけで格段に安全になります。最近はホームセンターでも電気を使う調理機器が売られているので、ご家族にもお買い物のついでに見てもらえたらと思いますね。

藤原:暖房や調理器具は、これまでもずっと使ってきたものだからこそ、油断が生まれやすいですね。冬を安全に過ごすには、少し視点を変えてみることが大切だと感じます。

安心の準備は、大きな支えになる

赤崎:エアコンは「寒い時にはあたたまりにくい」というイメージがありますが、最近は性能が良くなっており、エアコンとサーキュレーターを組み合わせると、安全に部屋を暖めることができます。膝掛けや肩掛けと併用すると体感温度も上がるので、周りにいる方が少しずつ工夫してくださったらと思いますね。

山邊:暖かい空気は上に溜まるので、座って過ごす利用者さまは暖かさを感じていないことが多いんです。温度計を置いて、本当に寒いのか、下の方だけが冷えているのかを客観的に確認すると、安全のヒントが見つかります。

谷口:訪問スタッフが見守れる時間には限りがあります。だからこそ、「冬はこうしておこう」という、ご家族のひと手間が、利用者さまの日常を支える大きな力になります。危険をゼロにはできませんが、事故の多くは事前の工夫で減らすことができます。

藤原:高齢の利用者さまだけでは、新しいものを取り入れるのは難しいかもしれないので、ご家族にもぜひサポートしていただけたらと思いますね。

⛄ ⛄ ⛄ ⛄ ⛄ ⛄

冬の家庭には、暖房器具・温度差・乾燥など、見落としやすい危険が潜んでいます。

それでも、ひとつひとつの習慣を見直すだけで、事故のリスクはぐっと下がります。

私たち「ともに」は、利用者さまの暮らしが安全で、そして冬のあたたかさが心地よく続くように、ご家族と一緒に、これからも寄り添った支援を続けていきます。

∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴

ともにでは、利用者さまに寄り添い、
日々の暮らしをあたたかく支える
訪問介護・訪問看護・居宅介護サービスを提供しています。

 

 

カテゴリー

タグ

  • 最近の投稿

  • カテゴリー

  • タグ

  • アーカイブ

  • Contact

    お問い合わせ

    お気軽にお問い合わせください。

    「ともに」に問い合わせる

    086-250-7810

    (居宅介護支援)

    086-250-5255

    (訪問介護)

    086-250-0015

    (訪問看護)

    086-956-3315

    (あかいわ訪問看護ステーション)