こんにちは!ともに管理者の藤原です。
前回このブログでは、「おとずれナース」と「夜野さん」という、精神科の看護をテーマにした漫画をご紹介しました。
実際の現場とは少しちがう部分もありながら、初めて介護にかかわるご家族や、これから介護の仕事をしようかな?と考えている方にはぜひおすすめしたい内容でした。
そこで今回はケアマネジャーの谷口から、介護やヘルパー、ケアマネジャーなどをテーマにしたマンガをご紹介しようと思います。
ケアマネジャー・谷口おすすめ、「ヘルプマン!」
2011年に、第40回日本漫画家協会賞大賞を受賞した作品。
日本の介護制度や現場で起こっている問題をテーマに、ヘルパー・恩田百太郎(おんだ ももたろう)が奮闘する物語。様々な家族の形や介護の在り方を通し、介護とは何かを問いかけていくマンガです。
「利用者さまにとって正しい介護」とは何かを考えるきっかけに
藤原:谷口さんがこのマンガを読んだのは、介護の経験が今ほどなかったころなんですね。
谷口:10年くらい前に読んだんです。新人のヘルパーが「目の前にいる人を今すぐなんとかしてあげたい」という思いだけで突っ走る様子を見ていて、途中でつらくなったことをよく覚えています。
藤原:どうしてつらくなったんですか?
谷口:自分がやってしまった失敗を思い出すような内容がたくさんあるんです。今なら「新人はみんな通る道だ」と思えるんですけど。当時は悩むこともあったので、それをダイレクトに指摘されたようでつらかったですね。
藤原:広く長い目で介護を考えることって、経験が増えないと難しいですもんね。
谷口:そうなんです。たとえば生活援助で食事を作るプランを利用されている方がいたら、介護保険ではそれ以外のことってできないですよね。
藤原:ご自身でできることを手伝ってしまうと、自立を妨げることにもなります。
谷口:はい。でもサービスに含まれていない「庭の水やり」なんかを頼まれることって少なくないんですよ。実際ヘルパーにとっても、そんな大変な仕事じゃないし。
藤原:利用者さまとはいい関係でいたいし、喜んでくれるならやってあげたいと思うのは、人として普通の感情ですもんね。
谷口:やってあげたくなっちゃうんです。でもダメなんです。
藤原:そう。そのヘルパーだけの問題じゃなくなっちゃうんですよ。
谷口:次に来たヘルパーに同じことを頼んで、「サービスに含まれていないから」って断られると、「前のヘルパーはやってくれたのに」って思っちゃうんですよね。
藤原:利用者さまが、他のヘルパーといい関係を築けなくなってしまいますね。
谷口:そこで初めて、利用者さまにとって一番いい介護、その人にとっての正しい介護って何だろう?って考えるんですよ。
藤原:なるほど。その一連の流れがリアルなんですね。
谷口:新人だったらやってしまうな、こう考えてしまうなと思うような話が多くて、すごく刺さるんです。
藤原:経験を重ねた今読んだら、どんな気持ちになりそうですか?
谷口:すっかり慣れてしまったことでも、新しい人が来たときに「こんなことで悩んでいるんじゃないかな」と、視野を広く持てると思います。
藤原:ベテランが読んでも価値がありそうですね。
谷口:ご家族が読んでも、ヘルパーがどういうことを考えて行動しているのかを理解していただける内容です。
藤原:いろいろな制度や職種、それぞれの立場の人から見た介護など、切り口もたくさんあるんですね。私も初心に戻るために読んでみますね。
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