こんにちは!ともに管理者の藤原です。
このブログでは3回にわたって、介護・看護・居宅介護の管理者が「介護の現場に今、必要なこと」をお伝えしてきました。
👉【ともに管理者対談①】介護・看護・居宅の連携がうまくいく理由
3回目となる今回は、介護保険では十分カバーしきれていないけれど、利用者さまにとって大切な「外出」について話しました。
刺激としての「外出」の大切さ
藤原:前回は「病院の付き添い」について話しましたが、病院以外の外出にも付き添える人がいると、利用者さまの生活は変わってくると思いませんか?
谷口:買い物に一緒に行ってくれるような人ですよね。最近は行政が積極的に移動販売をすすめていると聞いていますが、出かけること自体が大切ではと感じています。
三島:普段生活している場所ではないところへ行く、ということがよい刺激になるんですよね。
藤原:移動販売だと部屋着やパジャマに近いような服装でも問題ないけれど、近所でもスーパーだと違ってきます。女性ならちょっとおしゃれして…というその意識が生活にメリハリをつけますね。
三島:僕たちが今、「この部屋から一週間出てはいけない」と言われたら精神的に参ってしまいます。閉じ込めてはいなくても、外出のための支援がなければ同じです。コロナ禍でうつになる方が増えたのも、そういった理由ですよね。
谷口:精神的な落ち込みや症状の進行を防ぐためにも、外へ出ていつもと違う景色を見て、いろいろなものにさわって人と話をすることは不可欠です。ただ介護保険ではカバーしきれなかったり、ケガの心配があったりしてハードルは高いですね。
症状の悪化に気づくきっかけは?現場ではどう対応してる?
谷口:利用者さまを訪問して、外出が必要だと感じるのはどんなときですか?
三島:たとえば何度か訪問していると、毎回同じ話をしていることに気づくことがあるんです。それが想像上の話など不穏な状態であればなおさら、ストレスを抱えているのではないかと考えますね。看護の場合は必要な措置であれば近くを散歩することができるので、「ちょっと外へ行ってみようか?」と声をかけます。それで改善されれば、訪問のうち何回かに一回は外へ出るようにしています。
谷口:車で出かけることができれば、季節の変化などより大きな違いを感じられますよね。
藤原:季節の移り変わりを目で感じることは、本当に大切だなと思うんです。壁にかけてあるカレンダーが8月になってヘルパーが半袖で介護をしていても「冬になりましたね」と話す利用者さまもいて。若くて健康な人でも、何も感じず何も考えないでいると、脳は楽なことに慣れていきますから。
三島:花が咲いたから春だ、暑くなったから夏だと感じることや、それを一緒にいる人と話すことがリフレッシュになったり、症状をゆるやかにすることは珍しくないですね。
藤原:ヘルパーには介護の時間のなかで行ってもいい作業が決められているのですが、たくさんの利用者さまが「掃除はいいからちょっと話そう」と言われるんです。税金が使われる以上、どうしても実質的なサービスに気を取られがちですが、現場で本当に求められていることって、実はそういう目に見えない、数字にできないことじゃないかと思いますね。
谷口:制度を変えることは難しくても、現場で何が求められているかについては利用者さまと接する僕たちが、誰よりも敏感でいたいですね。
ともにでは利用者さまに寄り添い、日々の暮らしをあたたかく支える訪問介護・訪問看護・居宅介護サービスを提供しています。